入れ歯の創造
入れ歯こそハイテク
その点、入れ歯は違います。はっきりと『噛む』ことだけを目的としそれを実現するために必要な構造をきちんと作り上げた、単なるイミテーションではなく新たな道具の創造です。
あるいは、平凡な発想から試されては失敗し続けたデンタルインプラントの、試みの一歩先進化形として入れ歯は存在するのかもしれません。いずれにしても20世紀にデンタルインプラントが急速に改良されだす時期までは、入れ歯の方が遥かにハイテクだったにちがいないと私は思います。
現在の極めて精緻な加工のできる技術レベル、感染に対する知見、アレルギーを回避する手段、そういった工学的・応用科学的な人類の蓄積が、もっとも平凡な発想であるデンタルインプラントの手法を現実のものにするために挑戦し続けた結果、ついにデンタルインプラントを成功率の高い治療法として成立させるという勝利をもぎ取り、入れ歯のテクノロジーをはっきりと陳腐化させた。一見そう見えなくもない状況が訪れています。
