SR SILVERWOOD

ロシアより独立系腕時計ブランド SR SILVERWOOD シリーズが上陸

「バイクをカスタムする様にウォッチをカスタムする」ロシアの独立系ウォッチビルダー『 SR SILVERWOOD シリーズ 』が日本上陸!

シルバーと高級木材をベースにハンドメイドで創り出す彼らの腕時計は、メカニカルな重厚感とレトロフューチャーな懐かしさを併せ持つ独特な存在感。

 

ロシア時計 SR SILVERWOOD

ロシア独立系ウォッチカスタムビルダーの緻密で重厚な世界観

ロシアの北部、アルハンゲリスクでは六ヶ月の間 「昼間」の空が暗く、太陽は燃えている小さなボールのようです。

冬の気温はマイナス40度まで下がり数メートルの雪が積もります。

旧ソ連時代にはアルハンゲリスクが面している白海の島に政治犯が強制収容されたこともあります。

この過酷な環境がロシアの心を生み育てるのかもしれません。

しかし、このような場所に独立系時計師がいるとは、にわかに信じられない事です。

アルハンゲリスクの夜景

View of Arkhangelsk at night : Photo by Engine9

 

無限に思える長い夜と沈黙の森の中で2人の時計技術師、Valeriy(ヴァラリー)と Ruslan(ルスラン) は、時計工房 SR (SILVERWOOD) でオリジナリティと驚くほど高い製造技術を兼ね備えた腕時計を創り出しています。

「バイクをカスタムする様にウォッチをカスタムする」 と彼らの言葉が伝える通り、彼らは車やバイクのカスタムビルダーという側面も持っています。

生粋のアウトドア派である彼らは、夏はバイク、冬はスノーモビルで広大なツンドラを旅します。

雄大な自然は、彼らのインスピレーションの一つです。

2018年から、彼らは夢に見たような腕時計を作り始めました。

ヴァラリーはマネジメントを担当し、ルスランはクリエティブを担当しました。

彼らのプロダクトの最大の特徴は、シルバー950 という純度の高い銀と、エボニー(黒檀)ボックスウッド(つげ) などの高級木材といった、腕時計には通常使用しない異素材を組み合わせて使用している事です。

その多くは基本的に「一点物」で、同じデザインを繰り返すことは滅多にしませんが、お気に入りのモデルはリピートオーダーも受けています。

SR Black Prince

SR Black Prince

 

また、他の時計技術師との違いはそれだけではありません。

時計製作(ムーブメントを除いて)は、全てCAD・CAMによって行います。

工房に設備されたコンピューター制御フライスパン2台と金属切断レーザー2台はデザイン用のコンピューターにリンクされ、ルスランのデザインをすぐに金属で実体化します。

時計のムーブメントはスイス製またはドイツ製を使用し、腕時計としての信頼性と品質を確保しつつ、ムーブメントを除いた全てのパーツ、文字盤、針、ケース、グラス、竜頭とベルトをルスランがデザインし製作しています。

SR silverwood RetroCar

ルスランのデザインにはアールデコの影響が強く出ています。

特に1930年代から50年代頃のアメリカの腕時計や自動車のデザインが大きく影響しています。

中でもアメリカの黄金時代に流行した、ウッディワゴン と呼ばれる木材を自動車のボディに使用した高級ステーションワゴンに惹かれました。

「Retro Car」 と言う腕時計はこの車に捧げられています。

ルスランは実物の フォードウッディコンバーチブル を完全に新品の状態にレストアし、ロシアのカスタムカーのショーに展示したこともあります。

ルスランはもともと彫刻家でもありました。

ある顧客から腕時計のケースに彫刻を依頼された事で腕時計製作に興味をもつようになりました。

FORD Woody Convertible

フォード ウッディコンバーチブル

 

結論として、SRの腕時計はスイス製やドイツ製のものと完全に違う発想から生まれています。

スイスを凌ぐほどのロシアの彫刻技術から始まり、80年間の共産主義時代の経験を経て、その崩壊と冷戦の終焉からわずか30年後にロシアの独立時計技術師の世界観はスイスやドイツの独立時計技術師とはまったく違った進化を遂げました。

SRの腕時計は常に新しい発想によって創られ、その存在感はタイムピースの枠を超えてさながらアートピースのようだとも言えるでしょう。

SR - SILVERWOOD シリーズ