半世紀を経ても色褪せない LIPの代表作のひとつ
1974年代にファーストモデルが発売された「マッハ2000」は、誕生から半世紀近い時を経て、いまも根強い支持を集める リップ の代表コレクションのひとつです。
工業デザイナー ロジェ・タロンによるデザイン
デザインを手がけたのは、20世紀のフランスを代表するインダストリアルデザイナー、ロジェ・タロン。フランスご自慢の特急列車「TGV」をデザインしたことでもよく知られており、空気抵抗を考慮した流線形の車体は、工業デザインとしての機能性を満たすと同時に、そのフォルムの美しさでも評価されています。
デュポンやキャタピラ社といった世界的な大企業の他、家具でも功績を残したロジェ・タロンですが、彼の作品の中で、現在われわれが最も気軽に触れることができるのが、この「マッハ2000」です。
MoMAの永久所蔵品となったデザイン
「21世紀になっても古びないデザイン」を目指して、1974年に発売されたモデルで、一見個性的なデザインですが、人間工学に基づいて着けやすさ、時間の見やすさが考慮されているのが特徴。ニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久所蔵品コレクションにも入っているインダストリアルデザインの傑作です。
1867年にスイスと隣接するフランス東部のブザンソンで創業したフランスを代表するウォッチブランド LIP (リップ)。エマニュエル・イザーク・リップマンが創業したLIPの時計は、ナポレオン1世に時計が贈呈されたことによって一躍有名になりました。
またフランスを代表する時計として、自国のドゴール元大統領やマクロン大統領、国賓扱いの英国チャーチル首相、米国のアイゼンハワー大統領やクリントン大統領にも贈呈され「大統領の時計」と呼ばれるなど、現在に至るまで多くの著名人に愛用されています。
150年以上に渡り、フランス・ブザンソンの工場で一つひとつ丁寧に組み立てられているコレクションの数々は、決して流行だけに留まらない独自の魅力を備えています。