イタリアの腕時計ブランド「トリフォグリオ イタリア」は、新作『PHILOSOPHER/フィロソファー』を発売しました。

これまでにトリフォグリオは、回転盤ウォッチ等のユニークな腕時計を手掛けてきましたが、今回の新作は、たった1本の針で時刻を示す斬新な「ワンハンドウォッチ（一針計）」であることが特長です。

「フィロソファー」は、時間という概念を改めて考えさせ、見る者に知的遊戯を提案します。これは、ひたすら効率化が求められる現代社会において、ハイブランドからスモールブランドまで、多機能なクロノグラフウォッチが主流となっている腕時計市場に、あえて異彩を放つものです。こうしたモデルを大胆に打ち出すことが、トリフォグリオの持つ感性であり、哲学＝フィロソフィーといえるでしょう。

「フィロソファー」というモデル名は、時間の本質について深く考察した古代ギリシャの哲学者たちからインスピレーションを得て名付けられました。

ソクラテスの弟子プラトンは、惑星の運動が時間を進めていると考え、またさらにその弟子のアリストテレスは、異なる考え方として、時間とは物事が起こる順番、その前後関係により決まると定義します。

こうしてギリシャ哲学により様々に思索されて来た「時間」というものの概念に独自の解釈を加え、さらにアートやモードへの深い見識と感性を重ね合わせることで「フィロソファー」は生まれました。

「フィロソファー」の文字盤は、一見すると不可思議なのですが、時刻の読み方は極めてシンプルで、ただ針の先端が示すダイアルを視認するだけです。

特長的なくさび型の単針は、フープ状に象られた側が針の後尾となり、ひと目見ただけで示された現在時刻がわかる優れたデザインです。

ダイアルは１周12時間で分割され、1時間をさらに15分刻みの4分割で読み取るユニークな配置は、それ以下の細分化された時刻（分刻み）を見る人の主観に委ねるという大胆な発想でセッティングされています。

ムーヴメントは、安定した駆動性能に定評のある SEIKO Cal.NH38 の自動巻ムーブメントを採用しました。

316Lステンレススティール製のケースは、直線的な面で構成されたエッジの効いた精悍なデザインで、ベゼル外周の緩やかなオクタゴンの面取りの造形は「フィロソファー」にさりげなく知的な表情を与えています。ケースサイズは、幅40mm、厚さ12.5mmで、大き過ぎず小さ過ぎないちょうど良いサイズ感です。ケースのカラーは、梨地仕上げのシルバーと、DLCコートが施されたブラックの2色で、どちらも光沢を抑えた高級感のある質感となっています。

マットなスイス製エナメルで仕上げられた文字盤には、12の目盛りが刻まれており、ガラスにプリントれた「15・30・45」の数字と「PHILOSOPHER」の文字が、まるで手前に浮き出たような効果を生み出し、フェイスを立体的に演出します。また、暗所での視認性向上にスーパールミノヴァが文字盤と針に採用されています。

レトロなドーム型の風防には、ARコートが施された高価なドームサファイアを採用しています。第4世代となったベストセラーのMILLIMETROと同様に、リューズがねじ込み式にアップグレードされたことで、防水性能は10ATM（10気圧防水）となります。

裏蓋には、古代ギリシャを代表するフィロソファーであるプラトンの肖像がレーザー刻印されています。

この時計に合わせるストラップは、スムースなカーフレザーストラップ、または武骨な印象のハンドステッチレザーストラップから選べます。

スペック

更に、「フィロソファー」の派生モデルとして生まれた『Memento mori/メメント・モリ』も特別限定で展開致します。「メメント・モリ」とは、「自分がいつか必ず死ぬことを忘れるな」「人に訪れる死を忘ることなかれ」といった意味のラテン語です。このモデルでは、文字盤にスカルモチーフを配して「時間と死」というダークで奥深いテーマを暗示しています。

Trifoglio Italia（トリフォグリオ）は、数々のブランドで時計デザインを手がけるイタリア人工業デザイナー、アレサンドロ・バルディエリが設立した時計ブランドです。

中世ヨーロッパの時代、絵画に初めて描かれた時計は、文字盤が回転する「回転ディスク式」の時計（転盤時計）でした。

特に1970～80年代に人気を博した回転ディスク式の時計は、欧米や日本の様々な有名ブランドが数多く作りましたが、当時作られた国産の転盤時計は、現在ではプレミアのついたコレクターズアイテムになっています。

2010年にトリフォグリオを設立したバルディエリは、回転ディスク式の時計をはじめ、自動車のスピードメーターやラジオに触発された、レトロテイスト溢れる機械式腕時計をデザインしています。